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2016.04.01

その苦味“世界最苦”級!「罰茶IPA」がエイプリルフール 24時間限定発売

野田幾子 野田幾子

2010年より毎年4/1のエイプリルフールに強烈な個性を持つ限定ビールを発表するサンクトガーレン。2016年の期待の新作は、世界一の苦さを追求したビール「罰茶IPA(ばっちゃあいぴーえー)」だ。

飲む際には要注意! 日本で造られたビールで1番苦い(予測) 「罰茶IPA」
飲む際には要注意! 日本で造られたビールで1番苦い(予測) 「罰茶IPA」
象の糞からつくるコーヒー「ブラックアイボリー」を使用した黒ビール「うん、この黒」(2013年)、ゲシュタルト崩壊寸前の名称を持つ蕎麦ビール「志布志市志布志町志布志の志布志市役所志布志支所側の蕎麦の蕎麦エール(しぶしししぶしちょうしぶしのしぶししやくしょしぶしししょそばのそばのそばエール)」(2014年)、抗菌ワサビ成分入り「バランエール」(2015年)に続き、今年もサンクトガーレン(神奈川県厚木市)のエイプリルフール限定ビール「罰茶IPA(ばっちゃあいぴーえー)」が発表された。

強烈に苦いお茶「苦丁茶(くていちゃ)」を使用することで苦味を強化。開栓するとホップの香りが漂う。液体を口にすれば豊富に使用した麦芽の甘味が感じられ、さらに最大の特徴である鮮烈な苦味に襲われる。

罰茶IPAは同社直営ネットショップ限定で4/1の24時間、3000本を限定販売する。2本セット1,650円〜 (クール便送料、消費税込)。

【商品名】罰茶IPA(発泡酒)
【内容量】 330ml
【賞味期限】 2016年7月1日(要冷蔵)
【原材料】 麦芽、ホップ、苦丁茶
【アルコール】 6%

さらに全国23店舗では樽生の罰茶IPAが楽しめるほか、4/9・10に東京・代々木公園で開催されるイベント「アウトドアデイジャパン」のサンクトガーレンブースで飲むことができる。販売についての詳細は同社Webサイトを参照のこと。

【問合わせ先】 サンクトガーレン有限会社 TEL:046-224-2317 中川、岩本
神奈川県厚木市金田1137-1/FAX:046-244-5757/info@sanktgallenbrewery.com

強い苦味は世界的ブーム。罰茶IPAは日本最強か

エイプリルフール24時間限定販売
エイプリルフール24時間限定販売
近年、ホップを大量に消費し苦味が強いビアスタイル「IPA」が世界的な人気を読んでいる。苦味は国際苦味単位、IBU(アイビーユー/International Bitterness Units)で表されるが、国内大手メーカーが発売しているピルスナースタイルのIBUは20程度だが、IPAは50を超えるものも珍しくない。苦味ブームはさらに加速し、IBU3桁越えのビールも登場する中、デンマークの「ミッケラー醸造所」が発売した「1000IPA(1000IBU)」は、日本で流通した初の4ケタIBUビールとして話題になった。

IBUはホップの使用量などをもとに計算で求める値のため、苦丁茶を使用した場合は計算できない。そのためサンクトガーレンは、ビールファンに「罰茶IPA」と「1000IPA」のブラインドテイスティングを敢行。テイスティングの結果、約70%の人が「1000IPAより罰茶IPAのほうが苦く感じる」と回答したという。

「1000IPAは重く鈍い苦味なのに対し、罰茶IPAは刺すように鋭く苦い」 「1000IPAは苦味とアルコール感の刺激がダブルで来る。罰茶IPAはアルコール感が無い分、直球で苦い(1000IPAのアルコールは約10%なのに対し、罰茶IPAは6%)」 「(罰茶IPAは)最初はホップの苦味で後からお茶の苦味がくる」などの感想が寄せられた。同社はこの結果を受け「『罰茶IPAは日本で造られた最も苦いビール』になるのではないか」と見ている。

ヒントはテレビの罰ゲーム。ホップ不足も解消!?

苦丁茶はノンカフェイン。中国では2000年以上前から宮廷への献上茶として扱われてきたとか
苦丁茶はノンカフェイン。中国では2000年以上前から宮廷への献上茶として扱われてきたとか
前述のように、ホップを大量に使うIPAのブームは世界的に広がっている。ホップの生産が追いつかない状況になりつつあり、現在ホップ価格は10年前の2〜3倍に上昇。入手すら難しくなっている品種も見受けられる状態だ。

そんな中、サンクトガーレンが苦味付けホップの代用品として苦丁茶に目を付けたのは、同社代表の岩本伸久氏。バラエティ番組の罰ゲームで苦丁茶を飲んで悶絶する芸人を見て「ホップが無いなら、お茶を使おう!」と閃いたという。「ホップがなければ苦丁茶を使えばいいじゃない」という発想の柔軟さ、さらには世界のホップ不足までが解消される可能性を秘めたサンクトガーレンの商品開発力には、ただただ唸るばかりだ。 

<注意> これはサンクトガーレンが毎年4月1日限定で販売している“ジョークビール”です。これまでのジョークビールは同社Webサイトをご参照ください。

野田幾子

beer365magazine編集長、日本ビアジャーナリスト協会副代表。各国のビール文化に興味を持ち、国内ビアカルチャー醸成に尽力中。好奇心旺盛。ビール×著名人を招いた他ジャンルのイベント開催、クラフトビール講座も。『極上のビールを飲もう!』シリーズ、『ビアびより』『日本のクラフトビール図鑑』ほか、企画・編集・共著多数。ビアコーディネイター、ビアソムリエ。