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コラム

2020.08.26

造り手と飲み手、それぞれの「自由」をリンクさせるグラウラー

千田 晋 千田 晋

三重県四日市のクラフトビアバー、Brewer's Beer Stand 34の千田 晋です。

昨年末に1 Day 1 Beer プロジェクトとして世界各国を2カ月間ビアライゼして以来の寄稿となります。その間に世界の状況はコロナ渦の影響で大きく変わってしまい、ビアバーである弊店も今年の4月から5週間以上休業していました。

Brewer's Beer Stand 34 店内
Brewer's Beer Stand 34 店内
しかし、このような状況でもクラフトビールを安心して楽しんでもらうために、未だ国内のビアバーでは実例の少ない、恒久的なサービスとして「グラウラーによるクラフトビールの量り売りテイクアウト」を8月7日から開始し、とても好調なスタートを切っています。

グラウラーフィルは、クラフトビール特有の多様性を体現する楽しみ方として2年前の開業時から導入を検討していたのですが、昨年のビアライゼ中にその考えが確信に変わる風景を幾つも見てきました。

それは例えば、フードコートの中にあるビアバーで夕食の買い物と一緒にグラウラーフィルしていく家族や、ランチの合間にフィルして帰宅時に楽しむオフィスワーカー、泊めてもらった友達の家には近所のローカルブルワリーのロゴ入りグラウラーがキッチンに置いてあったりと、皆一様に自分流でビールを楽しんでいる姿からは、クラフトビールがとても身近なものとして彼らの生活の中に溶け込んでいると実感しました。

そもそも個人主義が優先する欧米諸国ではレストランでフードのテイクアウトが一般的なように、食事も自分流に楽しむ文化の中でクラフトビールをタップからテイクアウトすることは自然な成り行きなことに感じられ、この文化の違いはライフスタイルの違いに大きく影響しているのでしょう。そして、樽生でしか飲めないクラフトビールをグラウラーにフィルできるのは醍醐味でもあります。

「自由な発想で造られたクラフトビール、それを自由な発想で楽しむ」

造り手と飲み手を繋ぐ「自由さ」は、常にどこかしらで感じさせるクラフトビールの精神性に通底しているキーワードだと思っています。

いつも通っているビアバーで、その場所に集う人たちと一緒に楽しむことはもちろん最高なのですが、樽生でしか飲めないクラフトビールをグラウラーにフィルして、一歩そのビアバーの外に持ち出した瞬間から、そのビールの楽しみ方は無限大に広がるんです。

あなたがタップリストから選んでフィルしたビールを持ち出し、家族や恋人、友人たち、そして一人でも楽しんでください。あなたが厳選してフィルしたビールに最高に合うフードを作って、買って、自分だけのペアリングを楽しんでください。山や海、高層ビルの屋上など、あなただけのお気に入りの場所で思い切り楽しんでください。

ビールを楽しむ自由さが増えることで、クラフトビールがより皆さんの身近なものになると確信しています。

そして、それは私の開店当初からのコンセプトである、「クラフトビールを身近なものとして発信する」ゴールにまた一歩、近づくことでもあります。

ありがたいことに、グラウラーフィルを切っ掛けに初めて来店頂くようになった方や、これまでプライベート時にしか来店しなかった方が、仕事帰りにスーツ姿でフィルしていく様子などから、早速クラフトビールが皆さんの生活に浸透してきていると感じています。

都市部には都市部の、地方にはその地方独自のローカルな楽しみ方があるはずです。

私はこれからも、三重県四日市のビアライフを発信していきたいと思っています。

そして、7月28日には皆さまのお陰で弊店のオープン2周年を迎えることができました。クラフトビールでできました皆さまとの繋がりに感謝をし、グラウラーフィルの優待やオリジナルマイグラスなどの特典を用意しました弊店のメンバーシップをこの度設立し、メンバー会員を8月末日まで募集するクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げており、プロジェクトページで弊店のグラウラーフィルの詳細をご覧頂けます。
左:ガラス製グラウラー/右:ステンレス製保冷グラウラー
左:ガラス製グラウラー/右:ステンレス製保冷グラウラー

<34クラシックメンバーシップ CAMPFIRE プロジェクトページ>

ぜひ、グラウラーであなただけのクラフトビールの楽しみ方を発見してください。 

千田 晋

「Brewer's Beer Stand 34」オーナー。映画業界を経てクラフトビール業界入り。ブルワーとセールスに従事し、クラフトビアバーをオープン。海外在住時に魅了されたビールの自由さを、様々なカルチャーを交えて多くの人に伝えたい!