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コラム

2015.12.28

京都街中×ビール×森林浴?! 京都醸造の試飲スペースオープン!

林田貴志 林田貴志

最近(今頃?!)クラフトビールの魅力に気づいてしまった会社員、林田貴志と申します。心地よい秋風薫る10月10日、「京都醸造株式会社」の試飲スペースオープン記念イベントに参加してきました。

京都醸造株式会社とは

京都醸造は、2015年4月に酒造免許を取得したばかりの、新進気鋭のブルワリー。異なるバックグラウンドを持ったベンジャミン・ファルクさん、クリス・ヘインジさん、ポール・スピードさんの3人が中心になり、 “自分たちが飲みたいビール”をコンセプトにクラフトビールを造っています。酵母はベルギー産、ホップは主にアメリカ産を使用し、チャレンジングで刺激的な銘柄が多いのです。

創業したばかりですが、今や京都市内はもちろん、全国の主要な都市の飲食店やビアイベントで味わうことができます。私も京都に住んでいながら、その存在を知ったのはつい最近のこと。「京都 ブルワリー」と検索して出てきたのと、ビアジャーナリストの野田さんからオススメいただいたブルワリーがまさに、こちらでした。

京都醸造の外観
京都醸造の外観

試飲スペースオープン!

オープン特別企画として「樽生6種類を一杯500円で提供」「専用グラスを購入された方だけはグラスでのビール提供が可能」「工場見学」(以上、公式Facebookページより一部抜粋)などをはじめとする豪華ラインナップ。オープンは11時でしたが、10時半前にほぼ一番乗りで今か今かと始まるのを(最寄り駅から走り汗だくで)待っていました。午前中は少なめでしたが、徐々に人が溢れかえるように。次々にビール瓶のケースを裏返したイスとテーブルが並べられていきました。

ビールは試飲スペースのある施設内と外の2ヶ所で提供されています。早速限定の専用グラス(とTシャツと栓抜き!)を購入。この日はセゾン「一期一会」、ホッピーなペールエール「夏の気まぐれ」、ベルジャンエール「京の真夏」をいただきました。途中この日だけ出店したカレー店「森林食堂」のタンドリーチキンやソーセージ、カレーを注文しながら土曜の昼間からビアフェスのような感覚を堪能致しました。

鼻で森林浴ができるビール「一期一会」

さて唐突ですが、みなさん最近、森林浴ってされましたか? 木漏れ日を浴びながら新鮮な空気を体の中に採り入れ、目の前には緑一面の世界が広がる森林浴を、僕はここで体験してしまったのです!

森の香りに包み込まれる「一期一会」
森の香りに包み込まれる「一期一会」

それは「一期一会」のグラスに鼻を近づけた瞬間。身体の中に“葉っぱが舞い踊る森”が出現し、私の五感を突き抜けていきました。飲めば飲むほど、森の香りが私を包み込み、京都の街中(周りは住宅街)にいるはずが、まるで森の中にいるのではないかと錯覚を起こすほど。目撃者によると、酩酊するほど飲んでいたわけではないようです。

まさに“鼻で森林浴ができるビール”と(勝手に)名付けました。クラフトビールに出合う前はビールに対して「キリッとした辛口でスッキリとした喉ごしを楽しむ」という世界観しかありませんでしたが、今回ここまで“嗅覚”で楽しめるビールに出合えるとは…。

気さくにお話下さったクリスさん

さて、14時からはお待ちかねの工場見学。しかもブルワー、クリスさんの丁寧な解説付です。

ブルワーのクリス・ヘインジさん
ブルワーのクリス・ヘインジさん

元印刷工場をリノベーションしたとは思えない「工場の醸造にピッタリな構造」感がすごい。麦芽づくり、粉砕、糖化、濾過、煮沸、冷却、発酵、熟成、パッケージング…その流れに沿うように配置された設備たち。そして最後は試飲スペースのタップにつながっていく、その洗練されたデザインが、あたかも美術館のような雰囲気を醸し出していました。

「醸造の仕事は、設備の洗浄とメンテナンスの徹底がメイン」とクリスさんは言います。「酵母たちがビールを造る環境をいかに整えるかがブルワ―の仕事の大半を占める」というお話が印象的でした。

「醸造の仕事は設備の洗浄とメンテナンスの徹底がメイン」
「醸造の仕事は設備の洗浄とメンテナンスの徹底がメイン」

思いがけない出会いを繋ぐビール

そして今回イベント開始直後から意気投合し、ビールの楽しみを共有することができた方との出会いがありました。私はまだクラフトビールを楽しむようになって間もないのですが、その方の経験に裏打ちされた濃厚なお話がとても刺激的で、これからますますこの世界(人生?)を巡るのが楽しみになりました。おそらくあの日あの場所に行ってなかったら絶対にお会いできなかったはず。足を運ぶきっかけを下さったみなさん、ブルワリーのみなさん、森林食堂のスタッフさん、ご一緒したみなさん、すべての方に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

最後に、こちらの試飲スペースは週末に定期的に開放されていますし、同社ホームページ公式Facebookページよりスケジュールも確認できます。今回これを読んで下さっているみなさんもぜひ、足を運んでみてくださいね!

京都醸造株式会社
〒601-8446 京都府京都市南区西九条高畠町25-1
Tel/Fax: 075-574-7820

林田貴志

京都在住の会社員、3歳になる娘の父で、ルーツは九州(福岡×大分)。ブルワ―に憧れるメガネ男子。近年クラフトビールの魅力や可能性に気づき、妻と共にほぼ毎日ビール三昧。「日本の発酵文化」についても傾倒しかけている。