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コラム

2016.06.23

台湾のクラフトビールを求めて~ハードコアブルワリー~<02>

SHIBU SHIBU

台湾では、数年前の日本と同じく急速にクラフトビールが普及しており、特に日本よりも平均的に 10歳ほど若い年齢層がクラフトビールを楽しんでいる印象だ。前回に引き続き、台湾にある「ハードコアブルワリー」のレポートをお届けしよう。

<b>ハードコアブルワリーの代表、陳銘徳(チェン・ミン・ド)さん。</b>
ハードコアブルワリーの代表、陳銘徳(チェン・ミン・ド)さん。

私は2015年より何度か台湾を訪問し、主に首都・台北でのビアバー巡りや台北近郊に位置するブルワリーの見学をしている。台湾で開催されたクラフトビールイベントで気になるブースを出していた「ハードコアブルワリー」に取材を申し込み、現地へ行ってきた(参照:台湾のクラフトビールを求めて~ハードコアブルワリー~<01>

友人たちと立ち上げたハードコアブルワリー

ハードコアブルワリーの代表、陳銘徳(チェン・ミン・ド)さんは、2011年頃からブルワリーの立ち上げの計画を始めている。当時の台湾には小規模なブルワリーがほとんどなかったことから、友達数人とブルワリーを立ち上げることを考えた。そして2013 年 1月、1000万円ほどの資金でハードコアブルワリーを創立。現在、経営は順調とのことだ。

設備の説明をする陳銘徳さん。
設備の説明をする陳銘徳さん。
ビール造りを行っているのは、陳さんとサポートメンバーの3名。「ハードコアブルワリー」の名前の元になったのは音楽活動をしていたからだが、現在は休止してビール造りがメインだ。皆が音楽好きだけあって、ブルワリーでは常にメタルやロックなどの音楽を流している。ハードコアブルワリーではビールの醸造だけではなく、ビアパブ向けの設備の設計、製造、設置、メンテナンスも手がけている。陳さんは工学部出身ではあるが、ビアパブ向けの設備に関しては独自に勉強したという。

ハードコアブルワリーの定番は2種類

現在、ハードコアブルワリーのレギュラービールは次の2種類。台湾人にとっては名前の響きが重要らしく、漢字名、英語名ともビアスタイル名をそのまま使うことなく、ネーミングを工夫している。

■酒花使徒(Hop Apostle)

酒花使徒(Hop Apostle):アメリカン ペールエール(コーヒーとビールの老舗カフェ『北義極品珈琲』にて)
酒花使徒(Hop Apostle):アメリカン ペールエール(コーヒーとビールの老舗カフェ『北義極品珈琲』にて)
アルコール度 5.8% のアメリカンペールエール。 「ホップの伝道師」という意味で、ホップ好きなビアファンのために、アメリカンスタイルによく見られるシトラス系の香りとは別系統のビールを目指した。今後は IPAにリニューアルしたいとのこと。

■夏景乍現(Suuuuuuummer Slam)

夏景乍現(Suuuuuuummer Slam):ヘーフェヴァイツェン(ハードコアブルワリーにて、自作サーバーで注いでもらったもの)
夏景乍現(Suuuuuuummer Slam):ヘーフェヴァイツェン(ハードコアブルワリーにて、自作サーバーで注いでもらったもの)
アルコール度 5.8% のへーフェヴァイツェン。小麦と大麦を使用している。目の前に真夏の景色が広がることをイメージしたネーミングだ。炭酸が強めでさっぱりしていて軽い口当たりだが、しっかりとした味わい。以前はクリスタルヴァイツェンを造っていたが、味わいを豊かにするためにヘーフェヴァイツェンに変えた。

<ハードコアブルワリーのビールが飲める店>

現在ハードコアブルワリーのビールはこれらの店で飲むことができる。

■台北
・北義極品
・Something Ales
・Kidsorrow
・Spot Taipei
・費尼主廚漢堡

■桃園
・高砂串堂 南崁店

■高雄
・小聲點酒館

■花蓮
・高大俠殼燒蝦
・All Star

最終回となる次回は、ハードコアブルワリーの醸造所の様子をレポート。今後についても陳さんに伺った。 

SHIBU

ビアフォトグラファー。ビアテイスター、ビアジャッジ、ビアソムリエを取得し、審査会やイベントを通じてビールの知識、仲間との交流を深めている。ビールと写真をテーマとしてビールの魅力を伝えていきたい。