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レシピ

2017.03.11

ガス調理・包丁一切使用なし!「簡単・速つま」ペアリング02

佐藤翔平 佐藤翔平

「コンビニやスーパーで手に入る」ビールと、極めて限られた調理器具で料理とのペアリングを紹介する本企画。仕事帰りに購入した食材とビールで、ワンランク上のペアリングが楽しめます。第2回目はギネス社の「ドラフトギネス」。しっかりとした麦芽のロースト・フレーバーと合わせる「速つま」、いかがですか?

1) 小売店やスーパーで見かけるような、全国的に普及するビールと食材を使用
2) オーブントースターとレンジ以外の調理器具はいっさい使わない

この2つの公約を守り、お手軽かつ本格的なペアリングをご紹介する第3弾目です。

■黒ビールの代名詞。カカオやコーヒーのような深い味わい

黒ビールと言えばこちらから。第3回目は「ギネス社」の「ドラフトギネス」です。高温で黒く焦がしたモルトが成すコーヒーのような味わいが特徴的な、世界を代表するスタウトです。

このビールの特徴をまとめてみました。
1. 深く黒い液色、窒素充填による泡立ちはクリーミー
2. モルトを強く焙煎した、はっきりかつ澄んだカカオ・コーヒー香
3. 甘味も感じるが、すぐにローストした苦味がたつ
4. 優しい口当たりながら、余韻の酸味もありのど奥まですんなりと入っていく軽いボディ感

このビールのために考案した「速つま」はこちらです!

■明太子の辛味とビールのロースト感が引き立て合う食べ合わせ

今回合わせるのは「ごま明太カナッペ」です。作り方は以下の通りです。
明太子にごま油を少量混ぜ込みます。
それをビスケットにたっぷりと塗り、オーブントースターへ。
軽く焼き目がついたら小口ネギをふって完成です。ごま油により香りに奥行きが出て、油分で辛味が穏やかにまとまります。



【ごま油のカナッペ】
<材料>
・明太子 35g
・ごま油 5g
・醤油(薄口がなお良い) 2g
・ビスケット 9枚
・小口ネギ 少々
※分量は目安です。お好みでご調整ください。

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まずは「ごま明太カナッペ」を一口。明太子の塩味と辛味でビスケットが進みます。ネギとゴマの深い香味がその塩味と辛味にまろやかな印象を与えています。

そして「ギネス」を口に含みます。
焼いたビスケットの香ばしさとギネスのローストした味わいが同調。塩味と明太子の香りが強く引き立ち、それらが引いた後はビールのロースト感や苦味を強く感じるようになりました。お互いを引き立て合う組み合わせです。

■強い味わいのビールには、負けない個性のある食材を

今回の解説。以下の仮説を実証してみました。

1. 深く黒い液色、泡立ちはクリーミー
 →料理にも「焼く」行程をいれ、香ばしさを合わせました。
2. モルトを強く焙煎した、はっきりかつ澄んだカカオ・コーヒー香
 →コーヒーやチョコに合わせても美味しいビスケットを使用。
3. 甘味も感じるが、すぐにローストした苦味がたつ
 →苦味が旨味を増強する作用を利用。旨味の詰まった魚卵「明太子」を選択。
4. 優しい口当たりながら、余韻の酸味もありのど奥まですんなりと入っていく軽いボディ感
 →酸味が明太子の辛味を抑制。焦げ味の中でも香味を主張できるごま油とネギで味にアクセントを加えました。
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酸味とビールのボディの軽さで口内がさっぱりする分、もともと強いビールのロースト感と明太子の辛味が強まる結果となりました。それでも、このコントラストが病みつきになるのがこのペアリングの良さです。 

【商品情報】
商品名:ドラフトギネス
生産国:アイルランド
醸造元:ギネス社
アルコール度数:4.5%
原材料:麦芽・ホップ

  • 醸造所

    GUINESS & CO.

    GUINESS & CO.

    アイルランド St James's Gate, Dublin 8

    +353-1-408-4800

    1756年にアーサー・ギネスがアイルランド・ダブリンで創業したブルワリー。現在も創業当初と同じ場所でビールを醸造を行っている。 1759年...

    詳しくはこちら

佐藤翔平

ビアジャーナリスト。酒類に詳しくなる為にビールから飲み歩き始め、その多様さに魅了される。飲食店勤務の傍らティスティングを行い、その記録は500を超える。JBCA認定ビアテイスター。ジャパンビアソムリエ協会(JBSA)認定ビアソムリエ。