コラム
2017.12.04
世界一周ビアライゼ vol.08 ─マレーシア02─
ビアフォトグラファー、若松節が、世界を回る旅で見つけたビールとの出会いを描く連載。クアラルンプール郊外のシャー・アラムから海を越え、東マレーシア(ボルネオ島)コタキナバルへ。そこには富士山よりも高い、キナバル山(4095m)がそびえ立っていた。東南アジア最高峰の山頂にて、東南アジアで最も売れているビールで乾杯!
名前 /スタイル:Tiger WHITE / Wit beer
産地 / 醸造所:シンガポール / Singapore Brewery (Asia Pacific Breweries-Heineken)
度数:5%
色:白く濁った黄色
ボディ:ミディアム
テイスティングノート:イーストとウィートの香りが鼻に飛び込む。あ〜安らぐ。口に含むとシトラスのフレーバー、その中でもオレンジやレモンのような味わいが強く感じられる。後味にコリアンダーの風味も。東南アジアの強い日差しに疲れたら、風通しの良い木陰で飲みたい休憩ビア。癒されること間違いなし。
ビール好きをアピールするアイテムを
ビアライゼでさまざまな国を廻るにあたり、いろんなビールを飲む! のはもちろんだが、いろんな人と乾杯したい! というのもやりたいことの1つだ。そこでビール好きをアピールするためのアイテムを作ってみた。BEER LOVER T- shirt!
地球の表面に私の好きなボトルを5本並べたデザイン。左から「キリン 一番搾り」(日本)、「ピルスナー ウルケル」(チェコ)、「フレンスブルガー ピルスナー」(ドイツ)、「ミッケラー 19」(デンマーク)、「ヒューガルデン ホワイト」(ベルギー)。いずれも私がこよなく愛するビールであり、これらの醸造所にはすべて訪れている。
そして背中には様々な言語で“乾杯”の言葉を並べた。思惑どおり、これが旅の随所でいろんな人と飲み交わす目的に大いに役立つこととなった。
大満足な仕上がりになったオリジナルTシャツを着て向かう先は、マレー半島から飛行機に乗りコタキナバル。東南アジア最高峰のキナバル山(4095m)の頂上を目指す。富士山より高い場所、初めてとなる経験にワクワクが止まらない。日本で毎年一緒に山に登る友達も合流し、いざ!
頂上にてタイガービールを片手に。
東南アジア最高峰の山頂で味わう、東南アジア最高峰(最も売れている内の1つ)のビールは格別なものがある。
山頂付近からの眺めも絶景だ。
そうそう、Today’s Beerで取り上げた「タイガー ホワイト」。造っているのはシンガポール工場ではあるが、マレーシアのみでの限定販売だったようだ。ヒューガルデンなど他の白(ホワイト)ビールと比べ、良い意味で「“白白”していない」。タイガーの持つスッキリ感を残しつつ、ホワイトビールが持つ柔らかさも感じられる、東南アジアに非常に合う白ビールなのが面白い。
タイガーブランドにはラドラーもあり、これもまた美味しい。アルコール度数も2%と低く、ジュース感覚でゴクゴク飲めてしまう。エビチリなどの甘辛料理とも相性が良さそうだ。
東南アジアのラガー主流文化が、今後どう変わって行くかが楽しみになる──。タイガーとの出会いは、そんな期待を持たせてくれた。
この興奮が冷めぬまま、次の土地へ向かう。国産ビールを持たない国から、アジア随一と称されたビールを生み出す国へ。
若松 節
1986年、横浜生まれ。旅で出会ったビールをその土地の風景と共に写真におさめるビアフォトグラファー。24歳の時にビールの魅力に取り憑かれ、学生時代から好きだった旅にビールという楽しみが加わる。旅経験は国内全都道府県、海外は21ヶ国。「ビールは太る」と巷では言われるが、Bier loverたるものビールの量は減らさない! をモットーに、Bier loverの為のエクササイズ方法を考案中。