コラム
2018.06.04
世界一周ビアライゼ vol.25─ベルギー01─
ビアフォトグラファー、若松節が世界を回る旅で見つけたビールとの出会いを綴る連載。ついに来た! ビール天国、ベルギーへ。まずは世界一多くの種類のビールを置いているビアカフェとしてギネスにも登録されている、ブリュッセルの「デリリウムカフェ」にて、「ピンクの象」の幻覚を見つつ? プロースト!
Today’s Beer
名前 / スタイル: デリリウム・トレメンス / ベルジャンストロングゴールデンエール
国 / 醸造所:ベルギー / ヒューグ醸造所
アルコール度数:8.5%
ボディ:ミディアム〜フル
コメント:日本でもおなじみ、ピンクの象がトレードマークの「デリリウム・トレメンス」。この可愛らしいロゴとは裏腹に、実は結構物騒(?)な意味を持っている。デリリウム・トレメンスはラテン語で「アルコール中毒による震え・幻覚」の意味。飲むと、幸せのシンボルであるピンクの像が、そしてクロコダイル、ドラゴン、鳥の幻覚が順に現れるという。
さて、お味の方はというと、まずはバナナやオレンジのようなフルーティーなアロマに、ハチミツのようなやわらかな甘味を全面に感じる。その直後、クローブのようなスパイシーさと強めのアルコールがグッとやってくる。本当に幻覚でも見てしまいそうな心地よさ。危なさと優しさが共存するビール(笑)。美味い!
「ビール」の概念を根本から覆したベルギービール。憧れのデリリウムカフェへ!
ついにこの地へやって来た。
日本の国土の約1/13の面積と小さい国ながらも多種多様なビールが造られており、その数なんと1500種類以上とされる国、ベルギー。ビール好きにとって一度は行きたいと憧れる国だろう。
以前はビールを苦手と感じていても、ベルギービールを飲んでビールが好きになった、という人は多いのではないだろうか。そして、ベルギービールを飲んで、ビールというものがわからなくなったビール好きもいるのでは?
というのも、私がそうだからである。もちろん嫌いになった訳ではない。良い意味でビールというものの概念がわからなくなった。日本人がイメージする、いわゆる“ビール”とは違いすぎるからだ。
「え? これがビール? マジ?ワインじゃん! カクテル? 酸っぱーーっ!」などなど、本当にさまざまな表情を見せてくれるベルギーのビールたち。ベルギービールとの出会いは、ビールがわからなくなると同時にもっと惹きこまれ、よりビールが好きになっていくきっかけでもあった。そしてついにこの地へ来たことに激しく感動している。あー、楽しみでしかない!
まずは絶対に行きたかった2箇所のうちの1つから。ブリュッセル中心部にあるグラン・プラスから徒歩数分、いかにもヨーロッパな石畳の細い路地のそれはある。日本でもおなじみ、ピンクの象が目印の「デリリウムカフェ」だ。タップがずらーっ! と並ぶ。タップ数の多さにも感動を覚えるが、その多さが半端でない。ここはなんと、世界一多くの種類のビールを置いているビアカフェとしてギネスにも登録されている。その数、なんと2400種類以上!! ……さすが本場、といったところか。理解の範囲をかるく超えたスケールに開いた口が塞がらないが、がんばって閉じてビールをゴクリ。まずは定番の「デリリウム トレメンス」から。(Today’s Beer参照)
そして次に、「デリリウム・ノクトルム(Delirium Nocturnum / Belgian Strong Ale / Alc. 8.5%)」「ノクトルム」はラテン語で「夜」の意味。その名の通り、少し沈んだ暗い色をしている。レーズンやプルーンのような甘さに、チョコレートやモカを思わせるフレーバー、クローブやコリアンダーのようなスパイシーさという、複雑な味わいのビールだ。軽く柔らかな口当たりなのでゴクゴクいけてしまうが、アルコール度数は8.5%ととても危険なビール。めちゃくちゃ美味しい!
そんなこんなで念願叶って来れた本場のデリリウムカフェを堪能しながら、ベルギー初日の夜はふけていった。
日本にもあります! デリリウムカフェ
デリリウム カフェ トーキョー
日本 デリリウム カフェ トーキョー千代田区霞が関3−2−6東京倶楽部ビル 霞ダイニング1F
03-3501-3181
私達はベルギーにて直接醸造家との交渉によりビールを輸入しております。 樽生だけで約50種類、ボトルを合わせれば100種類を超えます。 そ...
デリリウム カフェ レゼルブ
日本 デリリウム カフェ レゼルブ港区赤坂5丁目3番1号 赤坂Bizタワー1F
03-5545-7730
ブリュッセル本店は「ギネスブック」認定!日本最大級の20種類のベルギービール樽生を皆様のハートにお届け出来る様、日々精進中です! 赤坂にお越...
若松 節
1986年、横浜生まれ。旅で出会ったビールをその土地の風景と共に写真におさめるビアフォトグラファー。24歳の時にビールの魅力に取り憑かれ、学生時代から好きだった旅にビールという楽しみが加わる。旅経験は国内全都道府県、海外は21ヶ国。「ビールは太る」と巷では言われるが、Bier loverたるものビールの量は減らさない! をモットーに、Bier loverの為のエクササイズ方法を考案中。