コラム
2018.03.19
世界一周ビアライゼ vol.23─ドイツ04─
ビアフォトグラファー、若松節が世界を回る旅で見つけたビールとの出会いを綴る連載。ベルリンは、政治、産業、近代アートなど国際的にも注目されるドイツ最大の都市だ。この土地発祥である「カリーヴルスト」をお供に「ヴァイツェン」で一休み。
Today’s Beer
名前 / スタイル:ベルリナーピルスナー / ピルスナー
国 / 醸造所:ドイツ / ベルリナー キンドル シュルタイス醸造所 (Oetker Group)
アルコール度数:5%
ボディ:ライト〜ミディアム
テイスティングノート:金色のラベルに、ベルリンのシンボル熊がグラスを運んでいるラベルは、カッコよさと可愛さが共存している。東ドイツを代表するビールであり、ベルリンっ子が大好きなビール。口当たりがよく、ホップのアロマと苦味を強く感じる。モルトとのバランスもよく、少し懐かしさを感じる──そう、日本のビールに近い。王道なThe ビールが飲みたい、だけど少しのアクセントが欲しい。そんなシーンにもってこいのビールだ。写真の背景にはベルリン大聖堂を。
魅力満載の街でドイツの東西分断に思いをはせる
ミュンヘンから夜行バスで北上すること約10時間、やって来たのはドイツ最大の都市ベルリン。東西分断などで知られる古い歴史を持つ、ドイツの政治の中心地だ。また、ITや生物医学などの産業、近代アートなど先進的な分野においても重要な役割を果たしており、国際的に様々な分野において中心都市として名高い。
私がオーストラリアで一緒に住んでいたドイツ人がベルリン出身であったということもあり、絶対に訪れたかった場所だ。ベルリン駅。近未来的な外観がカッコイイ。ここを中心に散策を開始。
ベルリンの壁。1961年、東ドイツから西ドイツへの亡命を防ぐために建設された壁。1989年にいわゆる「ベルリンの壁崩壊」が起こり、現在では色々な絵が描かれている。歴史を色濃く表現したものや最近のニュースをユーモラスに皮肉的に描いたものなど、かなり際どいものもあるが、見ていて飽きない。
ブランデンブルク門。個人的に、ドイツの東西分断、そしてまた統一となった歴史や名残を一番強く感じられた場所だ。今では当たり前にくぐることができるが、当時の状況を思い浮かべると考えさせられるものがある。ギリシャの神殿の門をモデルにしているらしく、いち建造物としてもとてつもなくカッコイイ。城や遺跡好きにはたまらん。
公園の屋台で購入した「カリーヴルスト」と「ヴァイツェン」でひと休み。炎天下に歩き回り、疲れた体に染み渡る小麦の恵み。しっかりとした肉感のソーセージにスパイスの刺激、刺激を優しく包み込むイースト由来のバナナのようなアロマ。あー癒される。これで5ユーロくらい。安い。ちなみにカリーヴルストはベルリン発祥。
ベルリン大聖堂。ホーエンツォレルン王家の記念教会。第二次世界大戦で大破したものの、2002年に修復が完了したようだ。壮大で美しい。ベルリンの数ある建造物の中でも圧倒的な存在感、細部に施されたディティールしかり、ベルリンにとっていかに重要なものかがうかがえる。
その他にも、歴史的建造物や、近代アートの美術館など、ベルリンの街には魅力的なものが一杯だ。ただ街を歩いているだけでも、このようなユニークなオブジェを沢山見かける。
その後の予定が決まっていたため、ベルリンに滞在できたのは2泊だけだったのだが、私の中で「もっとゆっくり滞在したかった街ランキング」をつけるなら1位はベルリンだろう。
まだまだベルリンで遊びたい気持ちをこらえ、今度は西へと移動を始めた。
若松 節
1986年、横浜生まれ。旅で出会ったビールをその土地の風景と共に写真におさめるビアフォトグラファー。24歳の時にビールの魅力に取り憑かれ、学生時代から好きだった旅にビールという楽しみが加わる。旅経験は国内全都道府県、海外は21ヶ国。「ビールは太る」と巷では言われるが、Bier loverたるものビールの量は減らさない! をモットーに、Bier loverの為のエクササイズ方法を考案中。