コラム
2018.02.26
世界一周ビアライゼ vol.20─ドイツ01─
ビアフォトグラファー、若松節が世界を回る旅で見つけたビールとの出会いを綴る連載。2016年にビールの旅を敢行したのには理由があった。その理由が待つビール大国、ドイツへ到着。空港内の醸造所でプロースト(乾杯)!
Today’s Beer
名前 / スタイル: Kumulus/Hefeweizen, Jetstream/Pilsner, FliegerQuell/Helles
国 / 醸造所:ドイツ / Airbräu
アルコール度数:5.4%, 4.8%, 5.2%
ボディ:ミディアム〜フル
テイスティングノート:ミュンヘン空港にある醸造所Airbäu(エアブロイ)。空港内にある醸造所は、世界広しといえどここだけ。今回はシーズンものでなく、定番の3種をチョイス。左から、クルムス:白ビール好きなら誰でも好きになってしまうような、どストレートでフルーティなヴァイツェン。もっちりした泡がたまらない。ジェットストリーム:地元バイエルンのホップを使った、レモンのようなアロマが香るピルスナー。シャープで爽やかな飲み口。フリーガークエル:無濾過のため色濃くしっかりした味のヘレス。若草のようなホップの香りと苦味がとても印象的。ピルスナーと飲み比べても面白い。ミュンヘンへ来た時、帰る時は必ず立ち寄りたい場所だ。
「オクトーバーフェスト」と「ビール純粋令」の国へ!
ドイツ、ついに足を踏み入れることができた。これまで滞在していたチェコもビールを語る上で外せない国であるが、個人的にはビールと言えばドイツ。
私がそう思う理由は2つある。1つは世界最大のビールの祭典「オクトーバーフェスト」、もう1つはビール醸造に関して定めた「ビール純粋令」の存在だ。
後者は「ビールは大麦、ホップ、水のみ(+酵母)を使って醸造せよ」と厳格に決められた食品関連の法律。「ビールの品質を向上させること」と「小麦やライ麦をパン作りの為に確保すること」といった狙いがある。
国がそのような制令を定めるほどビールの品質向上にこだわり、またビールが日常に溶け込んでいるドイツ。こんな国は他にはないであろう。そんなこともあり、このビアライゼの中でも特に行きたかった国である。
ちなみに、このビール純粋令は1516年に制定されており、私が旅をした2016年はちょうど500周年にあたる。一生のうちでビールが一番盛り上がるであろう年。ビールを飲みに行くならこの年しかない! 私がビアライゼに2016年を選んだのにはそんな裏話もあったりする。
さて、今回のToday’s Beer。場所はミュンヘン空港内にある“Airbrau”(エアブロイ)。なんとミュンヘン空港では、世界で唯一空港内でビールを醸造している。できたてのビールが飲める空港は、世界でここだけ。こんな貴重なところへは行かないわけにはいかない。
今回チェコからミュンヘンへはバス移動だったため、空港には寄らず市内へ入ってしまったが、Airbrauで飲むために、そしてオクトーバーフェストに合わせて日本から合流してくれる親友を迎えに空港へ向かった。9ヶ月ぶりの再会に感激。そして何の打ち合わせもしてないのに、着ている服がラコステでかぶると言う仲良さ(笑)
さっそくエアブロイへ向かい、懐かしい話に花を咲かす。気心しれた仲良しとドイツで飲み交わせるなんて夢のようだ。ゆっくりとエアブロイを堪能した後は、空港からタクシーを走らせヴァイエンシュテファン醸造所へ。ここは現存する中で世界最古の醸造所という、老舗中の老舗。また、敷地内にはミュンヘン工科大学の醸造学科もあり、伝統あるビール醸造だけでなく最先端のビール研究も行っている施設でもある。店内は混み合っていたためテラス席へ。素敵なロケーションでビールを楽しみ、夜にはさらに仲間も合流。翌日のオクトーバーフェストの準備もバッチリ!
明日はついに夢にまでみたオクトーバーフェスト、期待しかない!
若松 節
1986年、横浜生まれ。旅で出会ったビールをその土地の風景と共に写真におさめるビアフォトグラファー。24歳の時にビールの魅力に取り憑かれ、学生時代から好きだった旅にビールという楽しみが加わる。旅経験は国内全都道府県、海外は21ヶ国。「ビールは太る」と巷では言われるが、Bier loverたるものビールの量は減らさない! をモットーに、Bier loverの為のエクササイズ方法を考案中。